鶏頭 vs. 牛尾
就職時によく話題になる選択肢ですね。敢えて大企業の歯車の一つになるのを嫌い小さくてもいいから手頃なサイズの企業に就職しその中で上を目指す(鶏頭)なのか、リスクの少ない大企業で大出世しなくても良いから無難に過ごしたい(牛尾)ですね。
- 牛尾はどちらかというとやる気がなくネガティブに響く向きもありますが、私はその気持ちはよく分かります。まだ就職経験のない若い人がその未知の世界でできるだけリスクを取りたくないと言う気持ちは、フツーの家庭でフツーに育ってきた人はそう思っても責めることのできない気持ちですね。しかしアグレッシブに響かないのもこれまた事実。
- では鶏頭はポジティブですか、といえばこれまた小さく丸まったずるがしこさが見えるようで個人的には決して手放しでgoodなんていうものでもありません。そしてこの「鶏」には思いもよらないリスクがあります。
- 会社というものは一般的に小さくなればなるほどトップの経営理念やものの考え方、挙げ句の果てにはその人の人間性まではよりダイレクトに反映されます。良いトップのいる会社にたまたま入ればそれはラッキーです。反対にそうでない会社(実は沢山あります)に入ってしまうとそれこそ悲劇です。
- ではどうしたらいいの、となりますがこれには単一で明快な解があるとは思えない選択肢です。牛と鶏と簡単に二分できるような世界でもなく実際には間に、熊、馬、豚、犬、猫といろいろなサイズの会社が存在するわけですし。
- そんなことより私がもっと大事だと思うのは牛と鶏を云々するより、頭と尾のほうです。なにもすべての人が自分の入った会社でトップになろうと意気込むべきだとは言いません。なろうと思ってもなれるもんでもありません。
- 大事なのは「自分も頭の一員なんだ」というmindsetだと思うんです。「どうせ自分は尾の一人だし〜」なんて思ったら仕事はまずおもしろくありません。逆に「自分がこの会社の経営者だったらこの場でどういうdecisionをすればいいのか」なんていつも考えていると不思議なほど物事が俯瞰で見えてきます。
- もちろん、牛頭を目指すにこしたことはありませんが、優れた才能を持ち、かつものすごい自己犠牲に耐えうる人でないと外資では特に難しいのも事実。
- でも頭として考えてみるというのは誰にでもできる価値のあることです。これ、外資では特に大事だと思っています。